カナダの子供の教育貯蓄プラン(RESP)は、魅力が盛り沢山!

2020年4月7日

お子さんが生まれて、親として計画的に考えていかなくてはいけないのが、お子さんの教育資金の積み立てですよね。日本同様、カナダにも子供の教育投資のための仕組みがいろいろあります。中でもRESPと呼ばれるものが一般的によく知られています。結論から言いますと、お子さんが生まれたら、なるべく早くRESPの口座開設をすることをオススメします。今回は、そんな先手必勝のRESPについてわかりやすく概要をお伝えします。

RESPってどんな口座?

RESPとは、Registered Education Savings Planの略で、子供のpost secondary education(高校卒業後の教育)の資金積み立ての為の特別な預金口座です。カナダ政府が、「お子さんの為に計画的にお金貯めてね。いろいろ援助するからさ」といった意図で、用意している預金口座です。具体的には、普通の預金口座と違い、下記のような特徴があります。

  • 毎年、拠出した金額の20%を上乗せしてくれる。(毎年、最大500ドルまで/合計で7200ドルまで)
  • 口座内でSaving(普通預金)に加え、GIC(定期預金)やMutual Fund(投資信託)といった運用で教育資金を増やせる。
  • 税制上の優遇措置がある。

ここで物凄く大切なことをお伝えします。「毎年、最大500ドルまで拠出した金額の20%を上乗せする」ということは、言い換えると「毎年、2500ドル拠出してくれたら、500ドルを上乗せして3000ドルにするよ」という事になります。

2500×0.2=500なので。。。

一度に2500ドル拠出するのは厳しいので、毎月208ドル(2500ドル÷12ヶ月=208.333…ドル)拠出したいといったこともできます。意外なことに、このようなことに気づかずに制度をフル活用していない人も多いと聞きます。もちろん、「経済的に、うちは年間1000ドルが限界かなぁ」なんて場合も、1000ドルの20%である200ドルは上乗せされるので、RESP口座での拠出を始めてみることをオススメします。また、RESP口座内で受け取れるこのカナダ政府の助成金の限度額は、7200ドルです。

7200÷500=14.4なので、

毎年、2500ドル拠出して、この制度をフル活用すれば、15年目の年で限度額に達します(助成金を受け取れるのは、お子さんが17歳になる年まで)。また、RESP口座を開設する際に、1年分遡って拠出開始をすることができるので、最初の年だけ、5000ドル拠出して1000ドルの助成金を受け取ることが可能です。Post Secondary Educationが始まるのは、早くて18歳頃が一般的ですので、子供が生まれてすぐは、経済的に厳しいけど、ゆくゆくは、制度をフル活用したいという場合は、お子さんが2〜3歳位から拠出を始めるという決断をしても良いかもしれません。

RESP口座での教育資金積み立ては、Mutual Fund(投資信託)がオススメ!

カナダは、日本と比べると預金金利が高い傾向にあります。ですが、せっかく、教育資金のような長期積み立てをするのであれば、Mutual Fundで多少のリスクはとってでも、運用で資金を膨らますのがオススメです。一般的に、Mutual Fundは、長期になればなるほど、リスクが小さくなると言われています。また、積み立て開始時期は、リスクを大きめにとり、引き出し時期が近くにつれ、リスクを小さくするするといったRESP口座用の金融商品もありますので、金融機関に問い合わせてみると良いでしょう。

RESP口座でかしこく税金対策!

少しややこしい話にはなるのですが、RESP口座にある教育資金は、引き出しの際に課税部分と非課税部分に分かれます。Post Secondary Education Payments(PSE)と呼ばれる部分は、親が積み立てをしてきた拠出金であり、完全に非課税になります。一方で、Educational Assistance Payments(EAP)と呼ばれる部分は、政府からの助成金や運用益にあたり、こちらは、beneficiaryであるお子さんに課税がされることになります。ただし、ほとんどの場合、RESP引き出し時にお子さんが大きな所得を得ていることがないと考えられますので、課税の心配はしなくて良いでしょう。故に、RESP口座による教育資金積み立ては完全非課税ではないですが、運用益が出てもほとんど課税がなく、政府からの助成金も受け取ることができるので、利用するメリットは非常に大きいです。

※EAPの引き出しは、最初の13週間は5000ドルまで引き出すことができ、それ以降は制限なく、いくらでも引き出すことができます。

引き出しの条件は?

実は、引き出しの条件は、結構ゆるいです。基本的に、教育機関(カナダ国外の教育機関でもOK)の入学証書だけで十分です。その証書を金融機関に提出し、subsriberである親の署名とbeneficiaryである子供のイニシャル署名で引き出しが可能です。教育関連の目的であれば、基本的には何に使ってもOKです。例えば、パソコン、タブレット、交通費、食事代、家賃などに使うことができます。通学で車が必要な場合は、その車両代や燃料代に充てることもできます。また、レシートなどを提出する必要もありません。

子供が学校に行かないことになった場合は?

お子さんが学校に行かなかった場合は、①RESP口座をキープしておく、②RESP口座にある残高を兄弟・姉妹に移管、③RRSP(退職金貯蓄プラン)に移管、④口座の解約という4通りの対応があります。また、ご自身が開設するRESP口座のプランによって、それらの対応が少し変わってくるので、注意が必要です。RESP口座のプランは大きく分けて下記の3種類があります。

  1. IndividualPlan(個人プラン)
  2. Family Plan(家族プラン)
  3. Group Plan(グループプラン)別名: Scholarship Fund(奨学金基金)

基本的にお子さんが一人の場合は、Individual Planでお子さんが複数人いる場合は、Family Planを選択することになります。両者とも金融機関で開設するプランです。一方でGroup Planは、非金融機関である奨学金基金協会で開設するプランで、複数の出資者から集めた資金を運用し、その協会が決めたルールに従って、拠出してきた教育資金を受け取ることになります。

①RESP口座をキープしておく場合

RESP口座は、開設から最長36年間、開いておくことができるので、お子さんの気持ちが変わって、やっぱり学校に通いたいとなった時のために口座を残しておくことができます。

②RESP口座にある残高を兄弟・姉妹に移管する場合

Family Planで口座開設時に移管先となる兄弟や姉妹の名前を登録していた場合は、特別な制約もなく移管できます。Individual Planの場合は、移管の際にカナダ政府にそれまで受け取ってきた助成金部分を返金する必要があります。もし、兄弟・姉妹それぞれが別々のIndividual Planに加入している場合は、助成金部分も含め非課税で移管することが可能です(移管先の兄弟・姉妹は21歳以下でなくてはならない)。Group Planの場合は、口座開設した協会のルールを確認する必要があります。

③RRSP(退職金貯蓄プラン)に移管する場合

RRSP口座開設から10年以上が経過している場合は、最大50,000ドルまでRRSP口座に移管できます。政府の助成金部分は、カナダ政府に返金しなくてはなりませんが、運用益を含めた拠出金は移管時に課税されません。

④口座を解約する場合

拠出した金額は、非課税で戻ってきます。政府の助成金部分はカナダ政府に返金しなくてはなりません。運用益に関しては、口座開設から10年以上経過しており、お子さんが31歳になるまでの間に学校に通うという決断をしなかった場合に受け取ることが可能です。ただし、その場合、運用益に対して所得税が課税され、ペナルティーとして追加で20%の税金が課されます。グループプランの場合は、運用益は一切戻らず、他の出資者への支払いにまわされてしまいます。

その他、留意しておくポイント

RESP口座を開設する際には、どのプランにするかをしっかりと吟味するようにしましょう。個人的には、金融機関で開設するIndividual PlanとFamily Planをオススメします。というのも、Group Planの評判があまり良くないからです。個人的な話にはなってしまいますが、自分の息子が生まれた時にどこから個人情報を仕入れたのかわかりませんが、突然、Group Planを運営する協会のセールスマンから勧誘のメールが送られきて嫌な経験をしました。いずれにしても、Group Planは、指定の教育機関でないと引き出しができなかったり、口座解約時に運用益を受け取れないなどのデメリットが目立ちます。余程の理由がない限り、敢えてGroup Planを選ぶ必要はないでしょう。

また、州によっては、独自のRESP口座の特典を設けているケースがあります。例えば、British Columbia州の場合だと、6歳〜9歳の子供を対象にRESP口座開設時に1200ドルを入金してくれるBCTESG(British Columbia Training and Education Savings Grant)という制度があります。是非、RESP口座を開設する際は、お住まいの州の制度についても調べてみて下さい。